2022年に創立140周年を迎えた東洋紡株式会社と、世界約90の国・地域に広がる拠点と約1700の連結事業会社と協働して事業を営む三菱商事株式会社が、機能素材の企画、開発、製造および販売を行う合弁会社として設立し、2023年4月に事業を開始した東洋紡エムシー株式会社（以下、東洋紡エムシー）。新たな機能素材メーカーとして、両社の力を掛け合わせ、従来の機能素材メーカーの枠に縛られずに飛躍し、2030年度には売上高2,500億を目指します。
2022年12月、設立後の事業開始に向けて企業の顔となるWebサイトの制作に取り組むプロジェクトが合弁会社の準備チーム内で発足しました。プロジェクトで中心的な役割を担い、現在東洋紡エムシーの経営企画部で主幹を務める永井 宏樹氏と、広報担当の高橋 綾子氏にお話を伺いました。

企業の顔となるコーポレートサイト、
合弁会社の準備チーム内に制作やインフラの管理の専任者がいない中で
新たな取り組みを推進するためには

導入前の課題

永井氏「東洋紡エムシーは『高機能素材で世界の課題を解決する』をビジョンとして掲げており、独自の尖った技術を持つ東洋紡と、幅広い産業知見・経営力を持つ三菱商事、2つの異なる企業の文化が融合しイノベーションを起こすことを期待されています。東洋紡だけでは持ち得なかった三菱商事の強みであるネットワークを活用したグローバル展開や、事業運営の知見・機能など、成長領域である環境ソリューションとモビリティ・電子材料に注力しながら新たなビジネスモデルの開発を目指しています。」

ブレスエアー®
東洋紡エムシーが製造販売する熱可塑性ポリエステル系エラストマー「ペルプレン®」を繊維状にして、立体的に接合した三次元網状繊維構造体です。軽量・高反発で、耐久性や通気性に優れることから、1996年の上市以来、新幹線・鉄道車両の座席シート、一般用・業務用寝具、オートバイやベビーカーなど幅広い用途で採用されています。

合弁会社の設立に向けたウェブサイトの準備期間は約4か月。合弁会社の準備チーム内では、他にも様々な手続きを同時に進める中でWebサイトの制作も進行しており、課題もありました。

永井氏「両社の取り組みの象徴として、企業の顔となるWeb制作は重要なプロジェクトです。会社も新しくなるため、制作に携わるアウトソース先も刷新、基盤もクラウドを利用するなど、合弁会社の準備チーム内に制作やインフラ管理の専任担当者をもたない私達としてはチャレンジングな取り組みとなりました。」

高橋氏「プロジェクトの第一弾はコーポレートサイトの立ち上げでしたが、第二弾では東洋紡のWebサイトから商品ページのコンテンツ移行、またさらなる事業成長にあわせてWebサイトは拡張を予定していました。

上場企業の子会社として、セキュリティ面や可用性ももちろん重要です。

Webサイト自体の準備期間は約4か月と大変短く、短期間で私達の要望を実現できるアウトソース先を選定する必要がありました。」

NHN テコラスを選んだ理由

短期間でのWebサイト制作に取り組むためクラウド基盤とアウトソース先選定を行った東洋紡エムシーでは、クラウド基盤の構築・管理をNHN テコラスに、CMSを利用したWeb制作はスマートスケープ社、テラ社に依頼することを決めます。

永井氏「NHN テコラス社は前職でお取引があったからと同僚から紹介され、話を伺いました。日本に12社しかいないAWS最上位プレミアティア パートナーの認定を取得しており、高い技術力と豊富な実績を持っているため信頼のおける会社だと感じました。クラウド基盤については提案をいただき、可用性が高く、厳しいセキュリティ要件をクリアできるAWSに決めました。」

高橋氏「セキュリティ要件の確認は、親会社である東洋紡のIT部門からもヒアリングがありましたが、丁寧に対応いただけました。またWeb制作会社であるスマートスケープ社、テラ社もNHN テコラス社からの紹介で選定しています。

インフラだけでなく、制作も含めた一気通貫の総合的な提案だったため、プロジェクト全体をお任せできるという安心感は大きかったです。」
スマートスケープ株式会社
株式会社テラ

3社で連携し、一つのWeb制作チームとして東洋紡エムシーを支援

NHN テコラスの導入支援

NHN テコラスでは、CMSサイト用インフラ環境の構築として、Webサーバーなどの準備とあわせてAWS WAF、WafCharm、Workload Securityなどセキュリティ対策、監視サーバーの構築・体制の提供を行いました。

永井氏「定例打合せを毎週実施し、進捗については細かく共有いただきました。本プロジェクトではWebサイトの制作を3社に依頼していますが、連携が素晴らしかったことがとくに印象に残っています。
私達から各社の役割を意識することなく要望をあげれば実現してもらえるという体制ができあがっており、とても円滑にコミュニケーションをとることができました。実際には各社間で調整があったのだと思いますが、NHN テコラス社を含め1つのWeb制作チームと対話しているように感じられました。」

高橋氏「立場の違う人に対する説明の使い分けもとても丁寧でした。東洋紡のIT部門へは高い専門性と技術力で堅実に話をし、専門家ではない我々には噛み砕いてわかりやすく説明してくれています。それでも不明点があり解決できなければすぐに打ち合わせの時間をとってくれました。身近に本音で話し合える信頼関係を築くことができたことはプロジェクトを円滑に推進することに大きく貢献しており、専門家がチーム内にいない状況でも短期間で成功させることができました。」

導入後の効果・今後の展望

コーポレートサイトの公開後は東洋紡のWebサイトから12の事業に関連する商品ページのコンテンツ移行があり、Webサイト全体としては英語のページも含め200ページを超える規模となりました。

高橋氏「現時点はコーポレートサイト・サービスページを形にするところまで取り組めています。今後はWebサイトの管理を取りまとめる広報チームだけでなく、コンテンツを発信していく各事業部にとってもより効率のいい運用を実現するとともに、顧客にわかりやすく確実に情報をお届けできるよう、テンプレート化を進めて整理していきたいと考えています。

運用面ではCMSのバージョンアップなど細かな対応も都度実施されており、AWSやCMSを意識せずに使えていることもメリットを感じています。」

永井氏「インフラの運用コストは可能な限り抑えたいため、アクセス数や事業展開に応じたスケーリング・サイジングの調整など、AWS環境をより最適化するための総合的なコスト削減の提案もいただく予定です。
今後も様々なサイトの運営を支援するプロフェッショナルとして、さらなる提案に期待しています。」