「スペースインベーダー」や「電車でGO!」など人気ゲームを生み出し、創業70周年をむかえたタイトーでは、ビジネス環境や顧客・市場のニーズの変化に合わせて、ITを最適化する取り組みを行っています。その一環として運用負担の軽減やアクセスの増減に最適なクラウドリソースを割り当てるため、プロモーション用のWebサイトをAWSに移行することを決めます。

AWSなどのインフラを含め、タイトーのシステム全般を統制・運用する情報システム課で課長を務める森下氏と、コーポレートコミュニケーション課で広報を中心にWebサイトの更新・運用・管理を担う平松氏の2名に本移行プロジェクトについてお話を伺いました。

アクセスが集中するプロモーションサイトをAWSに移行し、クラウドリソースを最適化

導入前の課題

AWSを導入する前はデータセンターで物理サーバーを借り、外部に委託して運用していたタイトー。しかし、昨今の時流の変化の速さから自社のビジネスに則したIT戦略をタイミングよく実行・最適化していく必要があると経営判断があり、その一環としてプロモーションサイトのAWSへの移行を決断します。

森下氏「物理サーバーでも安定して運用はできていましたが、経営方針の転換や、今後のビジネス成長を考えると高負荷なアクセスにも耐えられ、運用負担を軽減できるインフラ環境の構築は必須でした。

AWSはもともと利用をしており、自社で運用する際の手離れの良さやコストパフォーマンスの面から選定していました。またIT人材の採用を強化していく中で、市場シェアの高いAWSは利用者も多く、優秀な人材を採用しやすいといったメリットもあります。

今回の移行は静的なコンテンツがメインのため、サーバーレスな環境を構築することで運用負担やランニングコストを軽減でき、可用性・柔軟性の向上を図れることを期待していました。しかし、すべてを自社で構築するためには人材もノウハウも足りないという課題があり、将来的な内製化をすすめるためにもAWSのパートナー企業の力を借りて構築をすすめることに決めました。」

NHN テコラスを選んだ理由

森下氏「NHN テコラス社とはもともと取引がありました。AWSの最上位「プレミアティア　サービスパートナー」に認定されており、実績は申し分なくお任せできるという信頼と安心感がありました。

移行にあたり、当社でサーバーレス・クラウドネイティブな環境の構築を行うのは初めての試みだったため、ある程度流動的な部分がある想定でした。
NHN テコラス社はゴールに向けてアジャイル的にすすめる柔軟な提案をしていただき魅力的だったため、支援をお願いしました。」

サーバーレスな環境構築でコストと運用負担を軽減
Amazon CloudFrontを活用し安定性も実現

NHN テコラス社の支援

プロモーションサイトへのアクセス集中時もサイトダウンやネットワークの遅延が発生しないよう、NHN テコラスからの提案でCDNであるAmazon CloudFrontを活用し、コストの最適化と運用負担を軽減するためにコンテンツはAmazon S3にアップロードする構成で構築を始めました。

森下氏「Cronでショップの一覧を取得する必要がありましたが、置き換えの処理もAWS　Lambdaで対応することでAmazon EC2をたてるより管理が楽になり、価格も安価になったため大変助かりました。」

本番と開発環境あわせて40サイトをタイトなスケジュールの中で移行することとなり、追加要件が発生する事態もありましたが、柔軟・迅速に対応いただきNHN テコラス社の支援のおかげで無事に移行を成功させることができています。

平松氏「要件定義の段階ではわかっていなかった不足の事態として、制作環境がサーバーレスでは実現できないことがわかり、急遽別の実装方法を提案いただきました。Amazon EC2にSFTPサーバーを用意し、Webサーバーを立ち上げて確認用のページを迅速に用意してもらっています。おかげさまでいままでの制作環境を変更せずに現状のフローを踏襲する形で移行できました。

これまでお付き合いをしていたアウトソース先では、初期の要件から外れた柔軟な対応は難しいところが多かったのですが、NHN テコラスのプロフェッショナルサービスは時間単位での契約となるため要件が変更となっても契約時間内であれば対応いただけるのでとてもありがたいです。」

森下氏「グループ内でもNHN テコラス社の評判は高く、もともとあったお取引の実績で「NHN テコラス社と一緒に対応するのであれば問題ないだろう」と今回の移行プロジェクトをすすめる追い風になり社内調整もスムーズにすすめることができました。」

導入後の効果

平松氏「今回の移行は世界中からアクセスの集中が予想される大型ゲームタイトルの公開も控えていたタイミングでした。協業先の企業からも高負荷に耐えられるインフラとして厳しい要件を提示されており、そういった想定を踏まえたうえで拡張性・可用性の高いAWSを森下さんのチームとNHN テコラス社で用意してもらえ、協業先からも信頼をいただけたことは制作側としては大変助かりました。
またAWSに移行したことでデリバリースピードの向上も期待しています。」

森下氏「クラウドに移行することで可用性が大きく向上したため、インフラ担当としては運用負担だけでなく、アクセスが集中しても大丈夫という心理的な負担も減って安心感をもって運用できています。

プロモーションサイトはアクセスの増減が激しく安定した運用の実現が難しく、アクセスが集中した場合にはネットワーク遅延でユーザーが離脱してしまうこともあります。NHN テコラス社であればAmazon CloudFrontを利用した「高負荷対策・CDN導入パッケージ」で手軽にそれらの課題を解決できる環境を実現できるのでオススメです。」

今後の展望

森下氏「今回の移行でAWSのメリットをより深く理解できたため、アミューズメント事業のシステム開発もAWSですすめることができています。短期間に環境を準備でき、AWSを活用することで社内のDXを推進するスピードをあげることができました。

今後もNHN テコラス社の支援を利用しながら、AWSへの理解を深め、インフラ以外での活用も視野にいれDXを推進していきます。」