本日はよろしくお願いします。最初にACワークス様の事業についてご紹介いただけますでしょうか

矢野様：
ACワークス株式会社は、“「デザインしたい」を叶える”を企業理念に、デザインツール「デザインAC」や、フリー素材サイトの「イラストAC」「写真AC」などのデザインプラットフォームを運営する会社です。総会員数は1,200万人、プレミアムサービスの有料会員数は14万人を超える（2024年6月現在）、日本最大級のデザインプラットフォームに成長しました。

近年はAI領域にも注力しており、これまでに自社で開発したAIサービスを発表してきました。現在はデザイン向け生成AIの基盤モデル開発も行っています。
2023年4月には大阪市港区と、今年6月には東京都港区と連携協定を締結するなど、デザイン分野からの行政・地域課題の解決やサービス向上にも注力しています。

開発の体制やインフラ基盤について教えてください

ホアン様：
私がリードしている開発部は30名ほどの体制で、私を含めてベトナム出身のメンバーが多く活躍しています。2020年にはベトナムのダナンにオフィスを設立しました。
提供しているサービスは、すべて立ち上げ当初からAWSで管理、運営しています。

NHN テコラスへ発注いただいた経緯と効果を教えてください

ホアン様：
運営するサービスの性質上、利用者数の拡大にともなってデータ転送量も年々増加しており、毎月数百万円単位のインフラコストが生じているため、コスト削減のための施策は常に検討する必要がありました。

そうした中、AWSの契約をNHN テコラスの請求代行サービスに切り替えることで、費用の総額を抑えられるとともに、Amazon CloudFrontなどサービスの割引条件についても当社サービスの成長にあわせた柔軟性のある好条件の提案をいただいたため、契約を決めました。

その後、技術支援やコンサルティングを行う「プロフェッショナルサービス」を活用してコスト削減のためのアドバイスも受けることになりました。実際にこれまでNHN テコラスのエンジニアから提案を受けた施策を実施することで月々のTCOを削減することができています。現在も月次で開催している定例ミーティングで複数のコスト削減施策を提案いただいており、期待効果や影響度合いを見極めながら方針を考えているところです。

また、利用するAWSのサービスの種類が多く、コスト以外の運用面でも管理リソースや ノウハウの不足といった課題を抱えていたことから、プロフェッショナルサービスを通じて、的確なアドバイスをもらえる専門家としての役割も果たしていただいています。

NHN テコラスのChorus Portalがオプションサービスとして提供している「コストマネジメントツール」もご利用いただいています

ホアン様：
もともとコストの可視化と把握にはAWS Cost Explorerを使っており、コスト配分タグを使いながら分析をしていましたが、請求代行サービスへの契約切り替えにともなって、同サービスで利用できる「コストマネジメントツール」の利用を開始しました。

コストやリソースの使用状況を可視化・分析した上で、最適化に向けた推薦・提案を行ってくれるので、Savings Plansの購買方針を決める際にもコストマネジメントツールの情報が役立っています。

以前に利用していたAWS Cost Explorerと比べてチャートを用いた情報の検索や分析など機能的に遜色なく満足していますが、それに加えて当社からお伝えしている機能面の要望やフィードバックについても迅速に対応してもらっており、月単位で改善がみられるので助かっています。
一方で、データの反映スピードの部分で、やや不足を感じることもあるので、今後さらなる改善に期待しています。

NHN テコラスのサービスをご利用いただいたことによる効果についてはどのようにお感じになっていますか？

ホアン様：
ポイントは2つあると感じています。
まず、1ヶ月ごとに改善ポイントをまとめて提案してもらっており、施策ごとにデータにもとづいた効果検証を行っていただいているので、管理しやすくなりました。
また、AWS利用の改善を通じてコストを削減できているので、開発部以外の管理部門でも毎回レポートを楽しみにしていると聞いています。

プロフェッショナルサービスについては、月次の定例会でコスト削減を目的とした施策を中心に提案を受けています。
これまでに検証環境の時間停止、S3のアクセス頻度に基づいたライフサイクルルールの適用、AWSリソースの設定最適化を実施した結果、TCOを5％以上削減することができました。
また、MySQLバージョンアップ後、クエリのパフォーマンスが低下してサービスに影響が出てきていたため、NHN テコラスにパフォーマンスの最適化を相談しました。Performance Insightsなどを用いてボトルネックになっていた箇所を特定でき、改善につなげられるなど、コスト削減以外の部分でも効果的なサポートを受けられています。

社内メンバー、関係者の反応はいかがでしたか？また、今後に向けた取り組みについても聞かせてください

ホアン様：
開発のAWS担当リーダーは、請求代行サービスを利用することでエンタープライズ相当の技術サポートが無料で受けられるようになり、緊急時に対応を相談できる専用窓口ができたことが安心につながったと話しています。
また、原因や解決策を提示してもらってインシデントが解消した後に、対応内容や結果のログを他の開発メンバーにシェアする流れができているので、技術メンバー全体のナレッジ底上げにもつながりました。

今後の事業においては、自社で開発している新たなAI機能を随時追加するなど、AIに関する取り組みを強化していく方針ですが、それにともなってAWSのコストは今後もさらに拡大することが予想されます。そのため、可能なところで費用を抑制しつつ、浮いたコストをサービス開発に投資していくことに繋げられればと考えています。

私自身はAWSが掲げるベストプラクティスを参考にしながら、アーキテクチャの設計に注力していきたいと思います。常に新しい情報にキャッチアップすることで、ベストな選択を実現できるよう、今後もNHN テコラスの支援に期待しています。

矢野様：
今後、生成AIを用いたサービスをたくさん展開する予定で、AIに関しては通常のサービスよりもコストが高くなります。また、弊社のサービスのコストの中では画像転送によるコストが大きく、ここも課題と考えています。
この2つのコスト課題の解決について、NHN テコラスにサポートいただけると幸いです。

本日はありがとうございました