導入事例

オフィス家具のリユース事業「エコファニ」の拡大・発展に貢献するサイトアップデートを遂行

三菱地所株式会社導入事例
お客様の課題
  • ・事業の本格化・拡大に向けてサービスの玄関口となるポータルサイトのアップデートが必要に
課題解決の効果
  • ・EC-CUBEによるアプリケーション開発からインフラまで一気通貫で頼れた
  • ・従来の環境がオーバースペックであることに気づき、リソースと運用コスト適正化の提案もあった

「エコファニ」事業の拡大に向けて
ポータルサイトのアップデートを実行 

日本最大手の不動産デベロッパーである三菱地所では、新規事業として2021年よりオフィス家具のリユース販売・リース事業「エコファニ」の運営を開始しました。エコファニ事業の本格稼働にあたり、ポータルサイトの機能をさらに拡充すべく、NHN テコラスにサイト制作とAWS環境の構築、その後の運用保守を含めて依頼することにしました。
プロジェクトの詳細について、エコファニの事業責任者を務める 三菱地所株式会社 新事業創造部  副主事 本田 宗洋氏と、同社でグループ全体のインフラ支援やビジネス領域拡大のためにデジタルマーケティングを現場と推進するDX推進部においてマネージャーを務める加瀨 慶明氏にお話を伺いました。

導入前の課題

三菱地所では、経営理念として「サステナビリティ経営」を打ち出し、グループ全体で「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の実現に取り組んでいます。その姿勢を体現する新事業の一つが、リユース家具取引・販売サービスの「エコファニ」です。
エコファニは、東京駅周辺の大手町・丸の内エリアや有楽町エリアなどに数多くの物件を所有・管理する同社の特長をフルに生かしたリユース事業で、当該エリアのオフィスから出たさまざまなオフィス家具を下取り・検品・清掃したうえで、手頃な価格で企業・社会にお届けするというビジネスモデルになっています。リユース家具をお届けする方法としては、家具単体の販売、リースのみならず、オフィスにリユース家具をレイアウトして提案・提供するセットアップサービスも展開しています。

「エコファニは『もうすこし”ながく”』をコンセプトに、オフィス家具が再利用されることで循環経済作りに貢献できる未来を目指しています。お手頃価格で良質な商品を数多くラインアップし、現在(2022年12月現在)は、有楽町駅から徒歩1分の有楽町ビルにショールームを展開し、常時2,000〜3,000点 の商品を展示・販売しています。」(本田氏)

エコファニ:https://ecofurni-jp.com

エコファニは2021年に同社内で事業化の承認を受け、テストマーケティングを行った結果、市場やメディアでの関心が高く、売上もハイペースで伸びていきました。2022年からは事業を本格化させるフェーズに突入しましたが、 そうした事業の本格化・拡大に向けて必要となったのが、サービスの玄関口となるエコファニポータルサイトのアップデートです。本サイトのアップデートによってショールームへの来場予約の強化や、デザインのリニューアルによるブランドイメージの向上、サイト分析・改善などのデジタルマーケティングをより積極的に展開し、事業拡大のペースを早めることが狙いです。

「今回のアップデートでは、エコファニポータルサイトのユーザーインフェース(UI)をブラッシュアップして、オンライン上のカスタマーエクスペリエンス(CX)を良質化させ、デザインの刷新によるブランドの訴求力を高めることを目指しました。
また、ショールームへの来場を強化するため、ストレスなく来場予約が行えるようにしたいと考えていました。より多くのお客さまにショールームへ足を運んでいただくことで、エコファニで扱う商品の質の高さを実際に見て体験していただきたかったのです。」(本田氏)

こうした目的にもとづきながら、ポータルサイトの性能・機能要件をRFPにまとめて2022年6月からベンダーの提案を募り、結果として選ばれたのがNHN テコラスでした。

EC-CUBE によるアプリケーション開発、AWS環境の構築と
運用保守、
一気通貫で要件を確実に満たしうる実績と体制を評価

NHN テコラスのソリューションを
選んだ理由

「当社がNHN テコラスをパートナーとして選んだ理由はシンプルです。それは、エコファニポータルサイトのアップデートにおいて私たちが求めた要件を間違いなく満たしてくれると確信できたことにあります。」(本田氏)

「例えば、事業開始からエコファニポータルサイトはAWS環境で運用されていますが、今回のプロジェクトでは新しいAWS環境へなるべくサイトを止めない形で移行をする必要がありました。かつ、三菱地所グループの厳格な情報セキュリティ規定に準拠した構築・運用を行うことが必須です。NHN テコラスは、AWSの最上位パートナーにあたる『プレミアティア サービスパートナー』の認定を受けており、その規定に準拠した対応ができる技術力のあるベンダーだと認識していました。
もうひとつ、私たちにとって重要だったのは、株式会社イーシーキューブが提供しているEコマース向けCMS『EC-CUBE』を扱える能力、技術スキルがあるかどうかでした。」(加瀨氏)

エコファニポータルサイトはEC-CUBEをベースに構築されており、仕入れた商品の情報の登録、管理をはじめ、バックエンド業務もCMS上に実装しています。ショールームへの来場予約の機能も、原則としてEC-CUBEを用いて実装することをベンダーに求めました。

「当社では、Eコマースのサイトを構築した経験が少なく、EC-CUBEに精通したエンジニアやベンダーとのつながりが薄かったため、アプリケーションからインフラまで一気通貫で頼れるパートナーを探していました。NHN テコラスは、EC-CUBEの扱いに精通するエンジニアをアサインし、しっかりとした開発体制を組んでくれました。これも、NHN テコラスの提案を採用した大きな要因です。」(本田氏)

「ショールームの予約機能はEC-CUBEのプラグインとして独自に開発してもらいました。データベースと連携させることで、お客さまがショールーム側の予定の埋まっている日時を把握でき、来場の日程調整を手間なく行える仕組みを実装できました。」(加瀨氏)

今回のプロジェクトでは、新しいAWS環境へのEC-CUBEやデータの移行も行っています。
EC-CUBEの移行については従来サイトで使用していたAmazon EC2からマシンイメージ(AMI)を取得し、それをもとに新規サーバーを構築しました。データ移行はAmazon RDSのスナップショットをアカウント間で移行し、ダウンタイムの少ない移行を実現できました。

「インフラ面ではエコファニポータルサイトの従来の環境がオーバースペックであることに気づき、リソースと運用コストの適正化も提案してくれました。この辺りは、AWS上でのサイト構築・運用に関する豊富な実績と、それに裏打ちされた運用のノウハウを、顧客のために生かそうとする真摯な姿勢の現れだと思います。」(加瀨氏)

ビジネス上の信頼関係に裏付けられた
プロジェクトの成功 

プロジェクトを振り返って

「エコファニ事業を始めてから1年がたち、お客さまに伝える必要のある情報や導線・機能の整理など、当社が事業開始から溜め込んだノウハウが今回のアップデートで要求どおりにオンスケジュールで実装されました。これは、私たちがベンダーに最も強く望んだことで、それが実現されたことはNHN テコラスを採用した効果として大きいと考えています。
また、プロジェクトに関わったNHN テコラスのメンバーは、ショールームまで実際に足を運んでくれて、当社がこの事業を手がける想いや社会的責任などを踏まえた現場感を理解したうえで、プロジェクトメンバーとして一丸となって支援してくれました。
エンジニアは非常に誠実で、『できないものはできない』と正直に言ってくれますし、できることは確実に遂行してくれます。人によってはそうした素直さを嫌う人がいるかもしれませんが、私は、その正直さがビジネス上の信頼関係につながったと考えています。」(本田氏) 

今後の展望

今回のアップデートによって、エコファニポータルサイトはUIがブラッシュアップされたほか、ショールームへの来場予約機能が追加され、商品画像の描画スピードも改善されました。今後エコファニでは仕入・販売のバックエンド業務のシステム化・効率化を推し進め、事業の拡大に備えていく計画です。

「エコフェニでは事業拡張に伴い、採用活動を実施しております。今回のアップデートによって採用活動にもよい影響があると期待しています。順調に事業が拡張すればポータルサイトを通じて多くのお客さまのニーズに対応することがより必要となるはずです。今回のアップデートはその仕組みを整えるためのもので、実質的な効果は事業が拡大するにつれて見えてくる、あるいは大きくなっていくと考えています。
今後はお客さまからはみえないバックエンド業務のシステムアップデートに注力していくことになりますが、そこでもNHN テコラスの力を借りていければと考えています。 」(本田氏)

・利用しているAWSサービス
  • Amazon EC2
  • Amazon RDS
  • Amazon S3
  • Amazon
    Route 53
  • AWS WAF
  • AWS
    Certificate Manager
  • AWS Systems
    Manager

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導入サービス

三菱地所株式会社について

三菱地所は、1937年に設立(創業1890年)された総合不動産会社。「まちづくりを通じた社会への貢献」を使命に、ポストコロナ時代に向けた経営理念として「サステナビリティ経営」を打ち出している。事業の領域は、オフィス・商業施設の開発・賃貸・運営管理、収益用不動産の開発、住宅の開発・分譲、不動産仲介、海外事業など多岐にわたり、年間の売上高はおよそ1兆3,500億円(2022年3月期)に達する。

社名
三菱地所株式会社
内容
オフィスビル・商業施設等の開発・賃貸・管理、
収益用不動産の開発・資産運用、
住宅用地・工業用地等の開発・販売・余暇施設等の運営、
不動産の売買・仲介・コンサルティング
設立
1937年5月7日
従業員数
974名 連結10,202名(2022年10月1日時点)

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